栗山には以前、何度かインタビューさせてもらった。とりわけ印象的だったのは、まだ二軍暮らしをしていた若手時代の話である。
「なかなかうまいこといかへんなあ、と第2(西武第2球場)でもがいてたころですよ。気がついたら、1個上の中島(裕之、現オリックス)さんが上(一軍)に上がっていく、同期で同い年のおかわり(中村剛也)も上に呼ばれてホームラン打ってる。ああ、おれは何してんのやろなあ、と思いました」
それでも、試合や練習をやっている昼間はまだいい。たまらないのは、ひとりで若獅子寮の部屋にいる夜の時間なのだそうだ。
寮に聞こえてくる1軍の歓声
「ライオンズって、寮が西武プリンスドームのすぐ近くにあるでしょ。応援団の音やら、誰かが活躍したらワーッとあがる歓声やら、そんなんがみんな聞こえてくるんです。部屋の窓からドームを見たら、あの屋根の下から照明の光がもれて、盛り上がってる雰囲気が伝わってくるじゃないですか。ああ、いいなあ、と思いました。それもすぐ近くにいるんですからね、地団駄踏みたくなりますよ」
そんな下積みを経てレギュラーの座に上り詰めた栗山が、15年目にしてオールスターの晴れ舞台に出ていった。ちなみに、12年からキャプテンを務めて4年目でもある。ぜひ、後半戦の活躍にも注目してほしい。
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