2024年4月19日(金)

BIG DEAL

2016年7月30日

 出張においてまずお世話になるのが空港だ。搭乗前のチェックインカウンターや、到着後のイミグレーションには常に長蛇の列ができている。トルコ・イスタンブールの空港での襲撃と自爆テロは衝撃的であったが、空港が格好のソフトターゲットだということを示した形になった。今回出張したインドネシアを例にとると、到着した乗客の中で滞在ビザを保有しない者(出張者や旅行者等)は、Visa on Arrival(VOA)と呼ばれる短期滞在ビザを購入せねばならない。そのカウンターの数は少なく、職員の手際も悪い。ここでまず列ができてしまう。そしてその先にあるイミグレーションは、近時入国審査に時間をかけるためかより列が長くなっている。

イミグレーションを早く抜けるためのコツ

 実は、イミグレーションを素早く抜けるためのコツがある。列につく前に、どんな人が前に並んでいるかを素早く確認するのだ。子供連れの家族が並ぶ列はまず避けるべきだ。赤ちゃんを抱っこしていたり、小さな子供の手を引いていたりすると、そこだけ列が短く見える。しかし子供の数だけパスポートは存在し、入国審査には子供・大人関係なく同じ時間がかかる。冷静にそして瞬時に、その列に並ぶパスポートの数を推定せねばならない。

 また、空港所定の入国書類の他に、A4サイズの紙を2-3枚持っている人がいたら、その列も避けるべきだ。これは特殊な滞在条件を記していたりする書類である。当然イレギュラーな処理になり、係員の作業のスピードに影響する。書類に不備があれば、別室に連れて行かれるケースもある。その瞬間、後続の列からは怨嗟の声が上がる。自分が間違った列に並んでしまったことを激しく後悔するのだ。係員の性別にも注意する。私の経験上、作業が早いのは男性よりも女性、年配よりも若い係員だ。若い女性オフィサーの列はどんどん進む。男性の作業は遅い。ただ女性でも、年配になると手より口が動くことが多い。日本の空港では信じられないが、横のオフィサーと喋りながら作業をするのだ。不審人物の水際チェックができているか心配である。

 フライトが立て込むような時間帯になると、VOAとイミグレーションで1時間以上を過ごすこともある。まさに人込みに長時間滞留していることになる。イミグレーションを出ていないのだから、テロの外からの襲撃に対して安全だなどと思ってはいけない。テロ組織に魂を売った空港職員がいて、旅行者を誘導しながら自爆の暴挙に出るかもしれない。何が起こっても不思議ではないと常に考え、だからこそ人込みを一刻も早く抜ける工夫をせねばならないのだ。

 インドネシアの一部のホテルでは、このイライラする入国審査に対して、エスコートサービスを提供している。ホテル予約時にこのサービスを申し込むと、飛行機を降りたときにホテルスタッフが迎えに来てくれて、VOAもイミグレーションも専用のレーンで対応してくれるのだ。待ち時間なし。実に心地よいサービスだ。値段は50ドル前後。約5000円だ。安全対策費用として、高いと思うか安いと思うか、それはあなた次第。もしくはあなたの会社の総務部次第である。


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