2024年11月24日(日)

BIG DEAL

2016年7月30日

 イミグレーションを出るとバゲッジクレームがある。ここで時間を費やすのは愚の骨頂である。長期出張ならいざ知らず、1週間程度の出張なら機内に持ち込めるスーツケースで対応すべきだ。

機内に入らないスーツケースはNG

 以前勤務した会社で3泊4日の出張に出た際、同僚が大きな旅行スーツケースで登場して唖然としたことがある。私の服装はスーツだったが、彼はチノパンにジャケット、デザートブーツというリゾートに行くような格好で現れた。スーツと革靴、それにホテルのジムに行くためのランニングシューズやパジャマまで入れたら、大きなスーツケースでないと入らなかったという。確かに靴はかさばる。

 ただ大きなスーツケースのおかげでフライトのたびに荷物をチェックインする必要があるし、受け取りの際にも時間がかかる。小さなスーツケースであれば、空港からクライアント先に直行することもできるが、大きなものでは一旦ホテルに寄って預けてこようということになる。一事が万事、スムーズな移動に支障をきたすのだ。

 彼の場合、どうしてもジムに行きたいのであればランニングシューズを履いてくるべきだった。チノパンに合わないと考えたのだろうが、機内だけの話。こだわるポイントではない。パジャマもホテルのバスローブで対応可能だ。アジアのホテルでは浴衣を置いているところもある。少しでも荷物を減らして、何としてでも機内持ち込み可能なスーツケースだけで対応する気概を持たねばならない。

 さて、空港を出たら次は移動だ。インドネシアでは市内までの高速鉄道は存在しないので、タクシーを使うことになる。安全面を考えると、最大手のタクシー会社を遣うのが無難だ。出張前にどのタクシーの評判が良いかを調べるのは鉄則である。インドネシアのタクシー最大手はブルーバード社。車種はヴィッツ。空港から市内まで1時間で、料金は約30万ルピア(約2500円)程度かかる。ブルーバード社の場合、シルバーバードという別ブランドでリムジンも提供している。車種はカムリで値段は2倍(約5000円)だ。さてこの差をあなたはどう思うか。

 空港の人込みからは脱したものの、今度は車の中で自分独りになる。その時、外界の情報を得る手段はドライバーとのコミュニケーションと携帯だ。リムジンの場合、ほとんどのドライバーは英語が話せる。また近時、かなりの確率でWi-Fiが装備されている。

 私は若かりし頃にシンガポール駐在をしたことがあり、インドネシアにも頻繁に出張していた。当時はアジア通貨危機後の混乱時期で、治安面での心配はかなりあった。その時の上司は、何があっても携帯をオフにせず、パスポートとUSドルは常に持ち歩けと口を酸っぱくして言っていた。それらこそが、自分独りになった際に身を守る基本だというのだ。ところが次に転職した会社では、私の上司は海外出張をした際の携帯電話の使用を禁止した。電話代が高いというのが理由だ。携帯こそが身を守る術だと教えられた私にとっては、部下の安全性よりも電話代を優先する上司がいるということが非常に衝撃的であった。

 話がそれたが、一般タクシーとリムジンの値段の差は、乗り心地の差だけではない。コミュニケーションと情報収集のしやすさの差であるのだ。今のような世情においてどちらを選択すべきか、総務の方とディスカッションされたらよいと思う。


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