2024年11月22日(金)

海野素央のアイ・ラブ・USA

2016年9月14日

アフリカ系とヒスパニック系有権者の声

 トランプ候補は、メキシコ訪問に続きデトロイトでも人種問題に対しハト派のイメージを演出しました。クリントン陣営の標的となっている有権者は、同候補の変化をどのようにみているのでしょうか。以下で、戸別訪問を通じて得た彼らの一部の声を紹介しましょう。

 クラウディア・カメロン(44)アフリカ系女性

 「私は海軍を退役しました。トランプは非常に悲観的です。アフリカ系は楽観的です。トランプは退役軍人について語りますが、私は彼を信頼していません。口先だけです。デトロイトのアフリカ系が集う教会を訪問しても、アフリカ系は彼を支持しないでしょう」

 アベル・レボロ(66)ボリビア系

 「トランプは反ヒスパニック系です。米国はすべての人種や民族のための国です」

 アナ・アヤラ(28)エルサルバドル系

 「トランプはヒスパニック系の敵です。彼は人種差別者です」

 標的となっている有権者の家を訪問すると不在でしたが、ベネズエラ系の母親が対応してくれました。この母親はトランプ候補のメキシコ訪問について次のように語っていました。

 「トランプがメキシコの大統領と会談をしたのには動揺しました」

 筆者が「トランプ候補は100%人種差別者ですか」と質問をすると、彼女はこう答えたのです。

 「トランプは100%ではなく、1000%人種差別者です」

 トランプ候補ほどの人種差別者はいないという自信に満ちた回答をすると、もうこれ以上同候補についてコメントをしたくないという態度を見せてドアを閉めたのです。

 もう一つ例を挙げてみましょう。標的となっていた有権者が転居していましたが、その日に入居したばかりのニカラグア系のカルロス・ガルシアさんがトランプ候補に関して、こう述べたのです。

 「トランプは人種差別者です。メキシコ訪問が効果を挙げないことを祈っています」

 ヒスパニック系及びアフリカ系有権者は、トランプ候補が軟化した態度をとっても、「偽善者です」「ペテン師です」「本物ではありません」と言うのです。

 戸別訪問で遭遇したトランプ支持者の声も紹介しましょう。クリントン陣営の標的となっている有権者の家を訪問すると転居しており、中高年の白人女性が入居していたのです。彼女はトランプ支持者でした。

 「トランプがメキシコを訪問して大統領と会談したのは、とてもいいアイデアです。両国(米国とメキシコ)は麻薬問題を抱えていますから。トランプはデトロイトのアフリカ系が集まる教会で拍手喝采を浴びました。彼は一生懸命選挙活動を行っています。それに対して、ヒラリーは隠れています」

 ヒスパニック系やアフリカ系とは対照的に、トランプ候補の行動を高く評価していました。


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