海野素央のアイ・ラブ・USA

2016年9月14日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

戻らない振り子

 2012年共和党候補指名争いで、ミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事は、不法移民対策として「自主退去」を提案しました。不法移民に対し州の移民法を厳しくすれば、彼らは自主的に国外退去をするというのです。指名争いを勝ち抜くためにとったこの強硬策が影響し、結局、ロムニー知事は出口調査でヒスパニック系の27%しか獲得できませんでした。指名争いで一度右に振れた振り子は、本選で中道に戻ることができなかったのです。

 翻ってトランプ候補を考えてみましょう。移民政策はトランプ候補の政策の柱になっています。特に、例の「国境の壁」はトランプ候補の象徴になっています。同候補は、ロムニー候補よりも移民問題でさらに強硬な姿勢を見せており、ヒスパニック系から人種差別者と認識されています。同候補が、移民政策でタカ派とハト派の使い分けを続けても、極端に右に振れた振り子は中道に戻れないでしょう。
 

  
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