2024年4月19日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年10月19日

 この論説は次期政権への政策提言です。外交評議会の専門家が集まって議論をした成果であり、傾聴に値します。

 オバマ政権の北朝鮮政策は「戦略的忍耐」と言われてきましたが、要するに何をしても北朝鮮は態度を改めない、中国も対北圧力を十分にはかけないということで、手詰まり状況にありました。この提言はそういう手詰まりを打開する一つの案です。

北朝鮮空爆も選択肢

 交渉の再開、そこでの北朝鮮への今までにないインセンティブの提示(北朝鮮の政権転覆は目指さない、平和協定締結、在韓米軍のあり方討議、関係正常化など)を行うことを提言しています。その一方で、北朝鮮が交渉に応じない場合には、軍事的措置を含め、リスクがあっても強硬な措置をとるというのが基本的な考えです。

 この提言が次期政権の政策になるかどうか、なったとして北朝鮮はどう反応するかなど、まだまだ不確定な要因が多いですが、北朝鮮の核、ミサイルが日本に与えている脅威に鑑み、またほかに良い手がないことに鑑み、ここで提言されていることをやってみる意味は大いにあると考えます。

 ただし、スカッド・ミサイルより射程の大きなミサイルを打ち落とす能力整備については、韓国と日本にとってはスカッドも大問題でありますので、この部分には賛成しがたい気もします。
この提言は日本でも読売新聞などが取り上げ、北朝鮮空爆も選択肢という見出しで報じられていましたが、強硬策一辺倒の提言ではありません。

  
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