今なお全農経営陣は、株式会社化に最後の抵抗を試みている。7月22日、農協全国組織である全中、全農、農林中央金庫、全共連のトップが集まり会議を開いた。株式会社化阻止で全国組織の支援を取り付けようとしたらしい。全農・中野吉實会長の地元紙、9月7日付け佐賀新聞が、この日の会議のことに触れていた。
まず中野会長が、株式会社化について従来の持論を展開した。
「今までも良い形で運営してきた。2年先も3年先も同じかもしれない」
「良い形」とは、現行の協同組合のままという意味である。佐賀新聞の記事で最大のポイントは、全中のことに触れた、この部分だ。
「奥野長衛新会長の下で全中との温度差が浮かび上がった」
全中は、少なくとも本稿執筆の9月下旬時点では、株式会社化で全農と同じスタンスではないようだ。政府との例の約束があるから、全農とは「温度差」が出てしまうように見受けられる。株式会社化に反対する全農の「包囲網」が農協界でも狭まっている。
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