2024年7月15日(月)

From LA

2016年11月16日

 ナイジェルのビジネスモデルはいたって単純だ。コグニティブ・インテリジェンスとしてのナイジェルとナイジェル・クラウドをつなぎ、それがあらゆるデバイス(PC、携帯、家電、車など)とコネクトする。これによりプロアクティブ・インテリジェンス・インターネット網を構築。データコレクターとなる仲介サイトを飛ばしてアプリが直接デバイスや他のアプリと連携する。

 理解しやすい例としてシータ氏が挙げるのは「もしスマート下着があったら」という仮説だ。スマートな下着は、着用者のおならを分析して異常を発見すると自動的に医師に報告する。これに基づき医師が診断、保険会社に請求が行われる。保険会社は病気の早期発見に役立った、としてスマート下着メーカーにキックバックを行う。スマート下着は恒常的に金を生み出す存在になる。

 これをスマート家電、例えば冷蔵庫に置き換えてみる。スマート冷蔵庫は在庫を確認し、オーナーに「ミルクと卵が不足している」と伝える。オーナーは冷蔵庫からの指示に基づき買い物をする。冷蔵庫とコネクトしているスーパーマーケットから冷蔵庫に対しキックバックがある。これを計算すると、冷蔵庫の寿命を18年としてなんと冷蔵庫は1万5000ドル近くを生み出すデバイスとなる、という。

キメラ社のシータ氏

 これは卑近な例だが、このようにデバイス同士が連携することでより大きな図式、例えばガンの治療、世界の飢餓の撲滅、資源の節約と言った目的が果たせる可能性もある。AGIがコントロールする世界には「在庫」が存在せず、無駄が省ける分資源の乱用が減り、発展途上国に回る物資も増えるためだ。

 ナイジェルの現在の実力のデモンストレーションでは、笑いを誘うエピソードが多く見られた。例えばプレゼン中のシータ氏のデバイスに、重要な顧客である大企業のジョーンズ氏から連絡が入る。するとナイジェルは自分でジョーンズ氏に返信、シータ氏のカレンダーから空き時間を割り出して「今は忙しいが、今日の午後1時なら面会可能」と連絡する。その後シータ氏に対し「ジョーンズ氏は重要な顧客だから午後1時に面会することを勧める」とメッセージを送信する。

「先週ジムに行くのを怠っているのでハンバーガーは勧めない」とAI

 シータ氏はここでナイジェルに「ではジョーンズ氏とランチの約束を」と指示を出す。次にナイジェルが行うのは周辺のレストランの調査だが、普通のAIによるパーソナルアシスタントとの違いは、候補レストランのリストを送るのではなく勝手にレストランを指定、さらにメニューまで選ぶ、という点だ。

 今回ナイジェルは付近のカフェを選び、サラダなどの軽いメニューを選んでシータ氏に送信。これに対しシータ氏が「ハンバーガーはないの?」と聞くとナイジェルは「あるけれどもあなたは先週ジムに行くのを怠っているのでハンバーガーは勧めない」と答えるのである。


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