2024年12月26日(木)

仕事の失敗を実力に変えるメンタルトレーニング講座

2016年12月3日

目標の上限がわかれば無理なく進化できる

 営業職の人ならより具体的に目標の上限を導き出すことができます。まず、目標の範囲(インターバル)を求めていきます。自分自身の過去の平均点と、最高の点数との差を導き出し、この差をプラスしたものが目標の上限となります。これを上回ると不安が生じる可能性が高くなると考えられます。

 目標の上限をAさんの場合で具体的に見ていきましょう。

営業職Aさんの場合
過去半年間の平均契約件数→6件/月
過去半年間の最高契約件数→9件/月
9(最高)-6(平均)=3
9(最高)+3=12(次の目標の上限)

 Aさんは、これまでは最適な目標水準が平均契約件数の6件であり、契約件数上限が9件でしたが、今後は契約目標件数の上限を12件とします。無理に12件以上の目標を立ててしまうと不安が生じてしまいます。もちろん、6件の目標では退屈です。自分自身の能力、スキルの成長とともに目標も進化させていくことが大切で、これができれば退屈を防ぐことができます。

 もしあなたが、数字には置き換えられない仕事、たとえばデスクワークを中心に仕事をしているとしたらどうでしょう。仕事がマンネリだなと思ったら、それは目標を上げる時期、あるいは自分は成長したと認める時期に来ているのです。くさっている時期ではありません。さっそく仕事のペースを上げてください。もっとできることを上司にアピールしましょう。

短期目標をつなげて長期目標を達成させる

 最適な目標水準を導き出し、目標の上限をつくることは、夢をあきらめたり目標を下げたりすることではありません。

 ここで重要となる考え方は、以前からお伝えしてきた通り、「第一歩目の目標」「短期目標」に対する最適な目標水準を導き出すということです。短期目標を連続体として、中期、長期目標の達成につなげていくのです。

 最適な目標水準を導き出すことができれば、それまで悩んでいた問題を細分化して自分の第一歩目を踏み出せる可能性が高まっていくはずです。さらに、今現在成績や数字、契約やアポイント、友人関係などのプレッシャーやストレスから我慢を強いられてモヤモヤしていたことも、小さな我慢や、必要最低限の我慢、また、心地よい我慢に変えていくことができるはずです。我慢とは、セルフコントロールの能力を高める最も基本的なトレーニングです。

 主体性をもったオリジナルの第一歩のつくり方を模索、探求している時間は、あなたの成長のひと時ともなります。実行に移しているときに、今まで以上の心地よさや幸せまでもが実感できるように、少しずつ工夫してみてください。

 次回は、日常のビジネスの現場で有効となりうる気持ちの切り替えや、ポジティブな思考のつくり方を、実践的にトレーニングしていくコツをご紹介します。

(編集・鮎川京子)

  
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