エルサレムはユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒のそれぞれにとって宗教的な聖地。だからこそ米国はじめ各国はエルサレムに大使館をあえて置かずに配慮を示してきた。もしトランプ氏が大使館をエルサレムに移せば「エルサレムは3000年前からユダヤ人の首都」(イスラエル右派)という主張に与することになりかねない。
キーマンになる娘婿
だが、トランプ氏はこのほど、こうした主張や入植活動推進、2国家共存に反対してきたユダヤ人の弁護士デービッド・フリードマン氏を新しい駐イスラエル大使に指名した。エルサレムへの大使館移設が実現に向けて踏み出したようにも見える。
トランプ氏には、イスラエル政策を助言するのにもう1人欠かせない人物がいる。長女イバンカ氏のユダヤ人の夫、娘婿のジャレッド・クシュナー氏だ。同氏はトランプ政権の主要閣僚の人選にも大きな影響力を発揮したが、トランプ氏はイスラエルなど中東政策では、クシュナー氏の助言を取り入れているといわれており、イスラエルとの関係が一気に強化される可能性が高い。
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