1年間の研究成果に言及なし
さらに辛口を重ねると、コンセプト愛の発表後にトヨタ・リサーチ・インスティチュートのギル・プラット氏が登場したのだが、現在スタンフォード、ミシガン、MITという3つの大学と提携し自動運転の研究を進めている、最初の1年で150人を雇用し、今年も新たに100人の雇用を予定している、という説明にとどまった。1年間の研究の成果について言及がなかったのである。
この後プラット氏は自動運転のSAEによる定義、つまりレベル1-5で5が完全なる自動運転、という説明に移ったが、すでに自動運転というシステムが登場して数年がたち、レベル1-5についての知識もある程度広まっている中でなぜ今その説明なのか、一聴衆として多少不満を感じる内容だった。
トヨタは他の自動車メーカーがバッテリーの開発研究などにも参画してEV普及への道を歩む中、水素や燃料電池という独自路線を歩んでいたはずだが、それについての説明もなく、コンセプト愛のドライブシステムについても言及されなかった。
コンセプト愛のデザインそのものは悪くなかっただけに、トヨタが求める方向性がより明確に打ち出されることを今後希望したい。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。