前向きに読み解く経済の裏側

2017年1月9日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

米国の対日輸入関税

 米国の保護主義が、対中国、対メキシコ等にとどまらず、対日輸入関税にまで拡がるリスクもあるでしょう。昔懐かしい「日米貿易摩擦」の再来です。これは、まぎれもなく日本経済にとってリスクでしょう。

 もっとも、過度な懸念は不要かもしれません。日本は中国やメキシコと異なり、昔から日米貿易摩擦に悩まされて来ましたので、免疫力も付いています。たとえば米国には日本企業の子会社が数多くの工場を持ち、現地生産を行なっています。日本経済が対米輸出に頼る度合いが、以前よりも大幅に低下しているのです。

 また、日本製品は高品質であるため、高くても日本製品が欲しい、という買い手が世界中にいます。従って、多少の関税が課せられても、売上の減少幅は限定的かもしれません。低価格を武器に輸出を伸ばしている中国製品とは、関税に対する耐久力が異なっている、というわけです。

 今ひとつ、トランプ円安の恩恵がバッファーとなってくれる可能性もあります。関税を課せられたら、その分だけドル建て輸出価格を引き下げることが可能かもしれないからです。ドル建て輸出価格を関税分だけ引き下げても、円建て輸出価格はトランプ円安前と大差ない、ということも考えられるでしょう。

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