野菜ジュースが逆効果を招く“落とし穴”
「野菜をたくさん食べる」という行為(とりわけ食習慣)の中には(野菜の栄養素を摂取できるということ以外に)さまざまな要素が含まれる。野菜をたくさん食べる人は、たとえば(その分だけ)主食の食べすぎになっていないかもしれない。たとえば、脂肪やタンパク質の過剰摂取になっていないかもしれない。結果的に「栄養バランスがいい人」なのかもしれない。
さらにいえば、このご時世に「野菜をたくさん食べている」という人は、食事以外でも健康に気をつけている人なのかもしれない。運動もしっかりやっている人なのかもしれない。それらの総合的な習慣が、その人を健康にしているという可能性もある。野菜の栄養素だけの影響ではないかもしれないのだ。
この点を理解しないで「野菜ジュースさえ飲めば健康問題は解決する」と思ってはならない。ただし「野菜ジュースは健康的に何の役にも立たない」というわけではない。ふだん健康的な食生活を心がけている人が、たまたまその日は野菜不足になるからという理由で野菜ジュースを(補助的に)飲用する、ということであれば、きわめて有効な使い方(食べ方)になるであろう。
しかし、多くの人は逆になる。どういうことかというと「野菜ジュースを飲んだから(飲んでいるから)野菜を食べなくてもいい」となる。さらには「健康を考えた食生活などしなくてもすむように、とりあえず野菜ジュースを飲んでおく」という人さえいる。これではまさしく逆効果で、野菜ジュースを飲むことが不健康を招くことになりかねない。
忙しいビジネスパーソンこそが陥りやすい落とし穴なので、充分に気をつけたい。
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