アリゾナ州のスーパーハイウェイ
4月22日 アリゾナ州のホワイト・サンド国立公園に向かっていた。このあたりは砂漠地帯であり軍事基地が多い。White Sands Missile Range(ホワイト・サンド ミサイル演習場)という看板が見えてきた。
砂漠地帯であり交通量は少ないが片道二車線の快適なハイウェイが地平線まで続いている。整備も行き届いているところを見ると軍用道路なのであろう。ふとハイウェイ脇の標識を見ると『Bataan Memorial Highway』とある。“バターン(Battan)死の行進”を忘れないという意味でこのハイウェイの名称としたのであろう。
太平洋戦争中の1942年にフィリピンのコレヒドール要塞を攻略した際にバターンで降伏した米軍・比軍捕虜を炎天下徒歩移動させる途中で米兵捕虜1000人以上、並びに相当数のフィリピン人が死亡したという事件である。日本人は忘れても米国ではハイウェイの名前として残されている。
小さな博物館のヒロシマ・ナガサキ
5月6日(金)。アリゾナのルート66旧道沿いの田舎町Kingmanの町営博物館で大恐慌から第二次大戦のコーナーの展示物でエノラ・ゲイ号の写真が目を引いた。広島へ原爆投下した“空の要塞”と言われたB29爆撃機だ。原爆投下命令書のコピーも展示されていた。当時Kingmanの郊外にエノラ・ゲイ号を含む米国陸軍戦略空軍の爆撃機が駐機していたのだ。
戦勝国アメリカでは今日でも原爆投下を正当化する世論が支配的だ。戦勝国は戦争に関しては永遠に彼らに都合の良い解釈をするのは古今東西変わらない。Kingmanの人々は町の郊外から太平洋に移送された爆撃機が太平洋戦争終結の決定的使命を果たしたことを素朴に誇りに思っているのであろう。