トランプが米の軍事費増額を打ち出したのは、結構なことです。同盟国の軍事力が強力であることは歓迎すべきことです。
レーガンを想起させる強いアメリカ
「強いアメリカ」をというのはレーガン大統領を思い起こさせます。トランプがレーガンをロールモデルの一人と考えていることが分かります。ただ、レーガンの場合は対ソ連対抗というはっきりした戦略がありましたが、トランプはどうなのかよく分かりません。
米国の軍事費増額について、中ロを刺激し、軍拡競争になるのではないかと批判する人がいますが、ロシアと中国はすでに軍事力強化を行なっています。ロシアの防衛費はすでにGDPの4.5%になっていますし、中国の防衛費もGDPの2%を超えています。
フロノイが増える防衛費をどう使うかについて書いている意見は、適切な内容です。即応性の向上、明日の戦場を念頭に置いた技術面への投資、同盟国との協力などを重視すべしとの意見は傾聴に値します。また、海外援助予算や国務省予算は国家安全保障のためにも重要と言う指摘もその通りでしょう。
問題はこの防衛費増が議会を通るかどうかです。2011年の予算管理法、それに基づく2013年に始まった予算の強制削減があります。議会との話し合いは簡単ではないでしょうが、トランプはそういうプロセスを経ながら、米国が三権分立の国であることを学んでいくのでしょう。それも良いことだと言うべきなのかもしれません。