WEDGE REPORT

2017年4月10日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。近著に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 米議会調査は、上院、下院の情報委員会でそれぞれ別途進められており、目下、FBI、中央情報局(CIA)、国防情報局(DIA)など政府、軍関係のあらゆる秘密情報にもアクセスが許された大きな権限を持つ上級調査スタッフ4人ずつが関連資料や関係人物の洗い出しを開始した。

 このうち、下院調査委では、有力メンバーの一人、ウォーキン・カストロ議員(民主、テキサス)が4月4日、CNNとのインタビューで「これまで調査委が収集してきた証拠から判断するかぎり、トランプ陣営の何人かTrump associatesは告発され、収監されることになるだろう」と語り、疑惑の核心に迫りつつあることを示唆している。

フリン氏の裏切りはあるのか?

 一方、上院情報委員会は、とくに疑惑のカギを握るとみられるフリン氏の今後の議会証言を重視しているが、現在までのところ、「免責要求」にただちに応じることを約束していない。事情聴取を通じて本人をぎりぎりまで追いつめた上で、証人喚問で免責に見合うだけの証言を引き出せるか、舞台裏で話し合いを続けているとみられる。

 問題は、そのフリン氏が果たして、トランプ氏に反旗を翻してまで真相を語る覚悟ができているかだ。これまで同氏は、トランプ氏の信頼が厚く、選挙期間中もヒラリー・クリントン候補を非難中傷するダーティなメディア作戦に中心的役割を担ってきただけに、証言では自らの身の潔白をアピールすると同時に、トランプ大統領擁護に回るのではないか、との観測がある。

 だが、そうではなく、免責を求めてきたこと自体、自ら罪を逃れるのと引き換えにトランプ陣営の“闇”にまで言及する腹を固めたとする見方もある。この見方の根拠は、実は、フリン氏が今後の議会調査やFBI捜査に備え、あえてアンチ・トランプの急先鋒の論客でも知られるロバート・ケルナー氏を専任弁護士に指名したことだ。

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