2024年11月24日(日)

From LA

2017年5月1日

 一方でハイパーループ・ワンのグローバル・チャレンジに呼応する形で、現在米国で11の自治体や企業、大学グループなどから路線敷設の提案が行われている。これはハイパーループが「ビジョン・フォー・アメリカ」と名付ける米国内での計画の一環だ。グローバル・チャレンジには世界中から2600もの提案が寄せられたが、その中から実現性が高いものを厳選した。国内での実際の計画はこの中からさらに2つか3つの路線が選ばれる予定だ。ネバダルートもこの中の一つである。

 まだテストチューブの運用さえ行われておらず、成功するかどうかさえも分からない段階でこれだけの注目度というのはまさに一つの現象とも言える。国際的にはドバイに続き、インドもハイパーループ敷設に興味を示し、すでに政府関係者とのサミットも行われている。

集まった資金は総額で1億6000万ドル

 組織の充実もまた注目されるところだ。昨年10月の時点で、元ウーバーのCFOでありグーグルの会計担当でもあったブレント・キャリニコス氏をチーフ・ファイナンシャル・アドバイザーとして迎えることを発表した。また5000万ドルの追加融資を取り付け、これまでハイパーループ・ワンに集まった資金は総額で1億6000万ドルとなった。

 実現に向けて、法的な問題も様々な面から解決する必要があるが、ハイパーループ・ワンはすでにワシントンDCでロビー活動を展開、法律面の障壁を取り除くよう強く求めている。「実現すれば米国に全く新しいインフラをもたらす」という主張だが、まずはテストチューブの有人実験、そしてアマゾンの今後の動きなど、注目すべき点は多い。

  
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