2024年7月27日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年6月13日

 北朝鮮が、国際的な制裁の網の目をかいくぐり、あの手この手を使って外貨稼ぎをしている様子がよく分かる解説記事です。そのなかで、中国が陰に陽に北朝鮮を支援していることを明らかにした記事です。

 そのようにして得た外貨が、北朝鮮経済を下支えしているとともに、巨額の資金を必要とする核・ミサイル開発に使用されていることは間違いありません。

北朝鮮にとって痛い制裁がない

 中国は、石炭の輸入、石油の輸出の全面禁止といったような、北朝鮮の崩壊につながるような厳しい制裁はしたがらないのは分かりますが、中国が北朝鮮の核・ミサイル開発に本気で怒っているのであれば、北朝鮮の崩壊には至らなくても、北朝鮮にとって痛い制裁が考えられるはずです。

 たとえば銀行取引についての制裁で、中国が制裁逃れに、銀行取引の仲介をするなど一定の協力をしているようですが、このような協力を止めれば、北朝鮮への大きな打撃となるはずです。
2005年米国財務省がマカオのバンコ・デルタ・アジアを資金洗浄の疑いがあると指摘して、マカオ政府が銀行の北朝鮮政府の口座を封鎖したところ、北朝鮮が大慌てし、当時の6か国協議での核施設の停止、封印に合意し、口座の封鎖が解除になった経緯が思い出されます。

 北朝鮮への制裁のカギを握っているのは中国であり、北朝鮮の挑発が今後も続くようであれば、中国は徐々に北朝鮮を締め上げる方策を考えるべきでしょう。

  
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