2024年12月22日(日)

今月の旅指南

2017年8月22日

 広島市の東に位置する安芸(あき)郡熊野町は、毛筆や画筆、化粧筆などの生産が全国の8割を占める「筆の都」として名高い。筆づくりの歴史は江戸時代にまでさかのぼり、毎年秋分の日には、製筆の技術をもたらした先人の功績をたたえ地元の毛筆製造者の精進を祈念する「筆まつり」が開催される。

 昭和10年(1935)に始まり、今年で83回を数える祭りで、多彩な行事が町内各所で繰り広げられる。その見どころを、筆まつり実行委員会委員長の竹森臣(しん)さんに伺った。

 「熊野町を代表する筆の製造業者約30社が出店、あらゆる筆を特価で販売する『筆の市』や、メインゲストの書家が20畳の布に巨大な筆で一気に書き上げる『大作席書(たいさくせきしょ)』は必見です。また、榊山(さかきやま)神社境内の筆塚で、役割を終えた筆を浄火に投じる『筆供養』も実施します。使わなくなった筆をご持参ください」

気迫が伝わってくる「大作席書」

 そのほか、筆の製造実演や筆を使ったハンドクラフト教室、町内外の書家による作品を会場周辺の街角に展示する野外ギャラリー、屋台村なども。榊山神社の参道や鳥居に大小さまざまな筆が飾られる「一万本の筆通り」も筆まつりらしい風景だ。筆を通して伝統文化を再発見する1日となるだろう。

●筆まつり
 <開催日>2017年9月23日
 <開催場所>広島県熊野町・榊山神社など
 (呉線矢野駅からバス *各会場を結ぶシャトルバスあり)
   <問>筆まつり実行委員会事務局(熊野町商工会内)☎082-854-0216

   URL:http://www.shokuma.or.jp/
    http://www.fudematsuri.jp/

*情報は2017年7月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年9月号より

 


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