いのちの終わりは、別れの中でも、特別なものです。不公平だなぁ~と思うことも多い世の中でも、正真正銘、平等に、必ずやってきます。でも、いくつになっても、慣れるというようなものではない、辛く、悲しいもの。大人でさえ抱えきれないことが多いこの事態を、子どもたちに理解させるとか、教えるとかできるものだろうか? とも思ってしまいます。その場に立ち会うことになったら、共に受け止め、支えあっていくという考え方でよいのではないでしょうか。『さよならエルマおばあさん』(小学館)は、エルマおばあさんが、自宅で家族の介護を受けながら最後の日を迎えるまでを、愛猫の目線で撮影した写真絵本です。それは、エルマおばあさんの意志でもありました。写真の一枚一枚には、エルマおばあさんだけでなく、見守った家族の思いも、写し出されているように思います。写真という方法が伝えるメッセージを、静かに親子で受け止めてみてはどうでしょう。
“いのちと別れ”をテーマにした本の読後感は、悲しいだけのものではなく、むしろ心温まる希望を感じるものが多いように思います。リセットができない“いのち”の大切さを、絵本の世界からたくさん感じ取って欲しいと思います。
「祖父母と別れる前にこの絵本」おすすめブックリスト
おじいちゃん・おばあちゃんとの別れだけでなく、ペットや友達との別れの絵本も、また違った読後感があるかもしれません。
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