2024年11月25日(月)

中国はいま某国で

2010年9月20日

 中でも対中依存度が大きいのはチリのほかペルー、アルゼンチンなど。それぞれ鉱物資源や大豆を中国に売って稼いでいる。

 一方輸入でも、中国の浸透ぶりは急。向こう10年で、中国からの輸入はラ米全体で見たとき、欧州諸国のみならず米国からの輸入をも上回ると目される。

 こんな状況を背景にしてだろう、北京とブラジルの間には、貿易代金をそれぞれが自国通貨で決済する算段がある。貿易業者が各々の国の中央銀行に口座をもち、両国間の収支尻を中銀同士で一括相殺処理する「決済同盟」形式だ。

 ちなみにこれ、戦前ナチス・ドイツが南米諸国にもちかけ、アメリカの逆鱗に触れたいわくつきの方式である。実効のほどはともかく、対米ハラスメントの政治性は極めて露骨。

[連載]中国はいま某国で

◆WEDGE2010 年6月号より

 

 

 

 

 

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