監督はまったくブレない
DeNAに2勝目をもたらした第5戦では、守護神・山崎康晃を八回2死から登板させたことが注目を集めた。絶対の抑えである山崎が投げるのは、セーブが記録される勝ち試合の九回1イニングだけと決まっていた。八回途中からマウンドに上がる〝回またぎ〟は、本人曰く「レギュラーシーズンもポストシーズンもやったことがない。初めてでした」。
ラミレス監督はあらかじめ、こういう起用もあると山崎に伝えていたのだろうか。
「いや、そういうことを言うと、選手によってはプレッシャーになってしまう。この試合では、登板する前、ブルペン担当のコーチを通して山崎に伝えてもらった。彼の場合は、そのほうがいい結果が出ると思いました」
かくもクールに徹しているラミレス監督を評して、筒香は第5戦の試合後、「監督はCS(クライマックスシリーズ)、日本シリーズを通してまったくブレない。だからぼくたちも落ち着いて戦うことができる」とコメントしている。
いまのラミレス監督から、「アイ~ン!」「ゲッツ!」「ラミちゃん、ペッ!」などとお笑い芸人の真似をしていた選手時代の姿を思い浮かべるのは難しい。就任1年目の昨年の宜野湾キャンプでは、解説者としてやってきた中畑前監督の「おれと一緒にパフォーマンスをやろう」という誘いをやんわり拒否。OB評論家やマスコミとの間に絶妙の距離感を築いて、強いベイスターズを作り上げた。来年は1998年以来、20年ぶりのリーグ優勝もあるかもしれない。
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