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2017年11月21日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

市場アクセスに問題ある

 貿易問題について米国はNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉をする中で、メキシコなどに大きな投資をしている日本企業が不利益を被る恐れがある点に関して「再交渉が日本企業のサプライチェーンに影響する話はしている。交渉を担当しているライトハウザー通商代表にも伝えてある」と述べ、日本企業の利益にも配慮する姿勢を示した。NAFTAの再交渉の進展具合については「うまくいっていないが、すべての当事者が前向きになれるように進めていきたい」との考えを示した。

 日米の貿易不均衡に関しては「日本に輸入される米国産牛肉に対しては50%の関税が課されているが、オーストラリア産牛肉は36%の関税で不公正だ。日本の農産物、へのアクセス、医療機器、製薬にも問題がある」と指摘、米国側はいくつかの品目で日本市場へのアクセスに不満を持っていることを明らかにした。

 北朝鮮が9月以降、ミサイルの発射や核実験といった挑発行為をしていない状況については「『北』が沈黙をしていることに関して、状況をしばらく観察するしかない。我々の目標は朝鮮半島を非核化することで、アグレッシブな挑発行為をやめさせて、しかも米朝交渉が実際に可能になることを望んでいる」と述べ、「北」の沈黙に対して認識の変化はないとの姿勢を示した。

 沖縄の普天間基地を辺野古に移転させることで県民の間に根強い反対があることには「今週初めに辺野古を視察した。辺野古が唯一の移転対象で、かなりに進展が見られると思う。いま『北』の政権に圧力をかけている中にあって、沖縄県民と緊密に連携してできるだけ住民に害のないように進めたい」と述べた。

 ハガティ大使はトランプ政権が任命した駐日大使で、8月17日に着任した。ボストン・コンサルティング・グループに勤務していた1990年代に東京に3年間、駐在員として勤務した経験がある。2011年から15年 まで、テネシー州知事諮問委員会のメンバー、同州の経済地域開発局長を務めた。この間に日産自動車やブリジストンなど日本企業を積極的に誘致、その経験もあり政権内では知日派。

  
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