2022年8月15日(月)

From LA

2018年2月19日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

「Me Too」問題も影響

 実はヴァージン・ハイパーループ・ワン社内部も万全とはいえない。昨年米国は有名映画プロデューサー、ワインシュタイン氏へのセクハラ告発に端を欲した、国を挙げての「Me Too」(私もセクハラ被害者だ、と女性が声を挙げる運動)に揺れた。ハイパーループも例外ではなく、会社の設立者の1人であるシャービン・ピシュバー氏へのセクハラ告発が相次ぎ、本人は「一連の告発ブームに便乗した政治的陰謀だ」としながらも同社の役員を辞任する、と発表した。

 この辞任の後、ヴァージン・ハイパーループ・ワン社はヴァージン社のリチャード・ブランソン氏の会長就任を発表するなど、ネガティブなイメージの払拭に努力していた。ワインシュタイン氏の会社がその後身売りすることになったことを考えると、現在の米国ではセクハラ疑惑を持たれることは社会での企業イメージを損ね、投資家からの出資を集めることも困難になる可能性もある。

 このような状況の中で次々に新たな戦略を発表するヴァージン・ハイパーループ・ワン社の狙いはどこにあるのか。実現への自信の表れか、それとも会社としての危機感にあおられてのポーズなのか。2021年には最初の路線を開通させる、としている同社だが、あと3年で本当に人類は時速1000キロの乗り物を手に入れることになるのか、今後に注目したい。 


  
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