2024年11月25日(月)

ネット炎上のかけらを拾いに

2018年3月16日

球児と稲村のツイートに食い違い?

 ツイッターでは、現場にいたと思われる球児が「みんなで突っ込んで稲村亜美を抱きついてた笑笑 俺握手できそうだったのに審判に止められた笑笑 距離30センチ!」「審判にガチギレされたけどガン無視笑」「ぜったい痴漢してる奴いる」「あんな状況だったらなにしても分からない」(すべて原文ママ)といったつぶやきを残していたことが発見されている(すでに非公開や削除)。

 日本リトルシニア中学硬式野球協会関東連盟は公式サイトで「おわび」を発表。

 一方で稲村は、所属する事務所の公式サイトで「選手たちが私のもとに駆け寄り握手を求めて来たところに、参加選手の大半が流れ込んだ事は事実で、私もバランスを崩してしまいましたが、私自身に怪我はなく押しつぶされたような事もありません。ましてネットで一人歩きして書かれているような事(痴漢行為)は、ありませんでした」とコメントを発表している。

 動画を見る限り、接触がまったくなかったことは考えづらい。個人的には着衣の上から強引に接触したり、抱きついたりすることも「痴漢」と表現して差し支えないと思うが、恐らく稲村側は、球児に性的な目的があったとは考えていないのだろう。

 確かに、ツイートでは思春期特有の過剰な非行自慢をした可能性もあり、球児からコメントを取らない限り、実際に触ったのか、そこに性的意図があったのかどうかはわからない部分ではある。

「神対応」はいつまで称賛を浴びるのか

 稲村はツイッター上でも、「わたしは全く問題なく大丈夫ですよー!!!」とつぶやき、これを「神対応」と報じたスポーツ紙もあった。一方で、これを「神対応」で終わらせてはいけないのではという指摘もすでに行われている。

参考:
稲村亜美「もみくちゃ騒動」なお波紋 「神対応」で済ませていいのか?(JCASTニュース)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180313-00000006-jct-ent

稲村亜美に球児殺到「監督は性的暴力と教えないといけない」深澤真紀氏が持論
https://www.daily.co.jp/gossip/2018/03/14/0011066925.shtml

 筆者がこの「神対応」から思い出したのは、2016年に朝日新聞の悩み相談での壇蜜の回答である。「胸を揉ませるかパンツを見せて」「今日のブラジャー何色?」といったことを毎日のように男子から聞かれてイライラするという女子中学生(12歳)の相談に、壇蜜は「今の貴女(あなた)に必要なのは勇気と余裕」「悪ふざけには貴女の『大人』を見せるのが一番」「思いきってその手をぎゅっと握り『好きな人にしか見せないし触らせないの。ごめんね』とかすかに微笑んでみてはどうでしょうか」と回答した。

 この回答は批判が上がる一方で、「さすが壇蜜」という称賛の声も多かった。真正面から注意しても言うことを聞かない男子中学生に対しては、女子の方が一枚上手になれ、と。そのために水商売風の手管を使えばいい、と。女たるもの、嫌いな相手に対しても、ぎゅっと手を握る程度のボディコミュニケーションが取れて何ぼである、と。これが先進国と言われる国の教育の結果なのだろうか。

 そういえば数年前には「女性教師をトイレに閉じ込め、爆竹を投げ込んで快感だった」とブログに書いて炎上した国会議員の事務所が、「少年時代は、たいがいの男の子がスカートめくりをしたことがあると思います。そのような事実を書いただけで、深い意味があるわけではないです」と弁明し、火に油を注いだこともあった。


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