2022年8月10日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年4月10日

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 この社説は、基本的に的を射ている。

 ロシアの大統領選挙の結果(得票率)は、ロシアの選管によると次の通りであった。

 プーチン(無所属)76.69%、グルディニン(共産党)11.77%、ジリノフスキー(自民党)5.65%、ソプチャク(シビック・イニシャティブ)1.68%、ヤブリンスキー(ヤブロコ)1.05%、チトフ(成長の党)0.76%、スレイキン(ロシアの共産主義者)…0.68%、バブーリン(ロシア全人民連合)・・・0.65%

 投票率は67.53%。

 プーチンの圧勝であったが、この選挙は有力な対抗馬と言われたナヴァルヌイは立候補が認められず、メディアの自由もない中で、公正で自由な選挙からは程遠い選挙であった。

 このような選挙で当選したプーチンに祝意を表明するか否かについて、米国ではマクマスター前安全保障担当補佐官など国家安全保障関係者はやめるように進言したが、トランプ大統領はそれを無視して祝意を電話で伝えた。マケイン上院議員は、イギリスでの元スパイ暗殺未遂、選挙が公正とは到底認められないなどを理由に、トランプが祝意を述べたことを非難した。

 再選後のプーチンの出方については、この社説の言うようにより危険になる可能性には警戒が必要である。しかし、プーチンは今でも十分に危険で、向こう見ずなところがあり、反西側の姿勢もはっきりしている。彼が理解できる言葉や行動で抑止していくしかないように思われる。プーチンには力関係を考えつつ、現実的に対応する面があり、西側の抵抗が大きいと見れば、引き下がるところがある。

 元スパイ暗殺未遂などには、許されないとして厳しく対応していくことが必要であろう。的を絞った資産凍結が外交官追放以上に効果があろう。シリアでのアサッドによる化学兵器使用については、アサッドを押さえるのがロシアの義務ではないかと言い続けるのが良い。

 大きな状況としては、今のロシアは、かつてのソ連と比較し、イデオロギー上のアピールはなく、油価が低迷する中、経済的に衰退している。資源頼みの経済からの脱却に失敗している。課題がプーチンの手に余るということであろう。核兵器を増強しても、元スパイを暗殺してみてもどうしようもない。

 プーチンが、選挙で圧勝した強い指導者として北方領土問題の解決に乗り出すか否かについては、大きな期待が持てる理由はない。選挙戦の最終日、プーチンは併合したクリミアに行き、ロシア国旗が振られる場にいた。プーチンはナショナリズムを掻き立てて、人気を得ている政治家である。

  
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