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2018年4月23日

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南北格差の大きいカリフォルニア

 一方で巨大な州だけにカリフォルニア州は南北の格差が大きい、と言われる。キャレグジットに熱心なのもシリコンバレーを擁する北部カリフォルニアが中心で、要するにITが生み出す巨大な利益を連邦政府に奪われることなく享受したい、という考え方だ。しかしロサンゼルス一帯を除く南カリフォルニアにはこれといった産業もなく、平均収入も低い。

 例えば北カリフォルニアに限ると1人あたりの収入は米国でも2番目、人口は5番目となる。ロサンゼルス周辺は人口で8番目、1人あたりの収入は12番目。ところがこれら地域を除く南カリフォルニは人口こそ4番目だが収入は30番目となる(米国勢調査調べ)。

 キャレグジットが連邦政府に不服を持つ集団なら、南北格差に不服を持つのがCAL 3と呼ばれる集団だ。北が貧しい南を支えている、という経済構造をなんとかするためにはカリフォルニアを3分割しよう、というのである。3つに分けられる州は、ロサンゼルスを中心とする「カリフォルニア」、サンフランシスコを中心とする「北カリフォルニア」、そしてサンディエゴを中心とする「南カリフォルニア」の3州だ。

 州を3つに分けることのメリットは、それぞれが独自の州税を設置できることで収入の少ないエリアの人々の不満が解消されること(カリフォルニアの売上税は現在9%台で米国で最高基準、さらに最低賃金も州が2020年に15ドルまでの引き上げを検討中)。一方で教育など、金をかけたいエリアが自由に教育システムの変更を行えること、など。

 昨年11月に始まったばかりの新しい動きだが、CAL 3は急速に人気を集め、現時点で既に州民投票に必要な署名の2倍近くを集めた。今年11月の住民投票の議題となることがキャレグジットよりも先に確定している。

 3分割か、あるいは連邦政府からの独立か。いずれにせよ州民が現在のシステムに大きな不満を抱いていることは間違いない。連邦政府としてはどちらも避けたい事態なのだが、「搾取」されている州、という意識を持つ人々の動きは今年11月に向けますます活発になりそうだ。

  
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