2023年1月28日(土)

WEDGE REPORT

2018年5月5日

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 このジュリアーニ氏の発言を受けたトランプ氏は翌3日のツイッターで、ダニエルズさんからの「うそとゆすりを食い止めるためだった」と口止め料の支払いを認めた。ワシントン・ポストによると、トランプ氏は2017年に、コーエン弁護士に対し、顧問報酬として1カ月3万5000ドルずつ支払い、この中に口止め料の返済分が含まれていたのだという。

 今回の自らの暴露劇はジュリアーニ氏と大統領が2人だけでシナリオを描き、大統領の熱烈な支持者であるFOXニュースの司会者ショーン・ハニティ氏の番組の中で電撃的に演出された。顧問団の他のメンバーや大統領の側近らも知らされていなかったとされる。

やぶ蛇となった作戦

 大統領が今回、否定から一転して認める作戦に出たのは、口止め料をめぐるコーエン氏への連邦捜査局(FBI)の捜査が進み、大統領に波及する恐れが出てきたためと見られている。大統領側はその前に疑惑を否定し、違法行為をしていないことを国民に明らかしておく必要があると判断したようだが、この作戦は藪をつついて蛇を出す結果になるかもしれない。

 第1に大統領がうそをついていたことは大統領の信頼性を大きく損なうものだ。11月に中間選挙を控える大統領や共和党にとっては、軽視できない政治的ダメージになる恐れがある。第2に、口止め料が選挙でトランプ氏を守るためだったとすれば、支払いは「献金」などの支出に相当し、選挙資金規制関連法に違反する疑いが強まったことだ。

 大統領はツイッターで「選挙資金からは支出されていない。選挙とは関係ない」と否定しているが、捜査当局がこの点に焦点を当てるのは必至だ。ロシア・ゲートを捜査するモラー特別検察官は大統領に対する事情聴取の質問を整えるなど捜査の輪を絞っており、大統領の窮状は挽回できそうにない。大統領はこの一方で、自分がうそをついてきた点については一切触れておらず、メディアの追及も一段と強まりそう。


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