中東を読み解く

2018年5月10日

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中東全域でイランとの対立激化

 今後、中東全域でイランと、米・イスラエル・サウジアラビア連合勢力との対立が先鋭化するのは必至だ。特にイスラエルと、シリア駐留のイラン革命防衛隊やイラン配下の民兵軍団との衝突が懸念される。

 トランプ大統領が核合意離脱を発表した1時間後の8日夜には、ダマスカス近郊の軍事拠点がミサイル攻撃を受け15人が死亡した。うち8人はイラン革命防衛隊所属のイラン人だったと見られている。離脱発表を受けたイスラエル軍の攻撃と受け止められている。

 イスラエル占領下のゴラン高原でも7日、イラン勢力からの攻撃の懸念が高まったとして、全域に厳戒態勢が敷かれた。イエメンでも首都を掌握しているイラン支援のフーシ派に対するサウジアラビアの攻撃を手助けするため、サウジとイエメン国境付近に米特殊部隊が展開していると報じられている。

 こうした中、ヒズボラの出身地レバノンでこのほど、国会議員選挙が行われ、ヒズボラを中心とするシーア派勢力が議席の過半数に迫る「地滑り的勝利」(地元メディア)を収めた。レバノンに対するイランの影響力が拡大する見通しとなった。

 選挙では、サウジアラビアが支援したスンニ派勢力が議席を大幅に失っており、米国とサウジにとっては厳しい結果となった。シリアでのイスラエルの攻撃に対する報復として、ヒズボラがレバノン南部から攻撃を仕掛けるとのうわさも広まっており、地元では緊張が高まっている。

  
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