韓国軍の場合
韓国軍の場合、気温が32度以上になると指揮官の判断により不可欠な兵力を除いて、激しい訓練や移動など野外活動を自粛する。軍任務の特徴として運動量の多い行動が多く、また、医療施設と離れた場所での活動が多いことを考慮した苦肉の策である。韓国軍の基準が「甘い」と思う人もいるかもしれないが、それでも起きるのが「事故」だ。
しかし、甲子園の球児たちは韓国軍より過酷な状況でのプレーを余儀なくされる。なぜ彼らには安全のための配慮が適用されないのか、不思議で不思議でしょうがない。もし、プロ野球選手に、同じような環境での試合を連日強いたのであれば、彼らはストライキを起こし改善を要求するのではないだろうか? 選手だけではない。観覧席で応援する高校生や選手の家族たち、うちわを持って応援する野球ファンを見ていても、気の毒に感じてしまうほどだ。
ネットには夏にやるしかない理由がいくつか挙げられていた。学期中に行った場合、学業に支障が出るために難しく、また、応援団も駆けつけることができない。秋にやると入試まで時間が短すぎる。秋にはドラフト会議なども控えているため夏休み中にするしかないのだというものだ。また、ナイターゲームは未成年者である選手たちに夜遅くまで試合をさせることになり、それは未成年者の保護を目的とした深夜外出の制限規定などに違反する恐れがあり難しいのではないかという指摘もあった。
夏の甲子園擁護論の中には「夏にやるからこそ甲子園の意味がある」という意見もあった。確かに100年の歴史が作ってきた数々の名勝負、感動ストーリーは球児、野球ファンのみならず、日本の現代史の一部分ともいえるだろう。しかし、伝統への拘りが選手たちを危険に陥れる可能性もあるということも否定できないのではないだろうか。