2024年11月24日(日)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2018年9月20日

南部バージニア州第11選挙区討論会

 南部バージニア州第11選挙区の討論会が、9月16日に地元で開催されました。現職のコノリー議員に共和党のジェフ・ドウブ候補とリバタリアンのスティーブン・ポーター候補が挑戦しました。

南部バージニア州第11選挙区の討論会(中央がコノリー下院議員 バージニア州フェアファックス)

 討論会でコノリー議員は2人のライバル候補よりも、トランプ大統領を標的にして反トランプの立場を鮮明に出しました。まず、昨年8月にバージニア州シャーロッツビルで発生した白人至上主義者と反対派の衝突事件に対するトランプ大統領の「双方に責任がある」という発言を批判しました。本来ならば、トランプ氏は大統領として白人至上主義者を非難すべきでした。

 次に、不法移民の親子を分離するトランプ政権の移民政策を痛烈に批判しました。このとき、会場にいた白人女性がコノリー議員に向けてブーイングをしたのです。

 しかし、コノリー議員は選挙区にあるアナンデール高校の3年生の女子生徒が運転免許証の取得に行ったとき、初めて自分が不法移民であることを知ったというストーリーを語りました。彼女は、幼年時にボリビア人の両親に連れられて不法入国した「ドリーマー」と呼ばれる若者だったのです。

 バラク・オバマ前大統領によってドリーマ―は、一時滞在が許可されました。ところがトランプ大統領は、彼らに一時滞在資格を与える「DACA(ダカ)」と呼ばれるプログラムの終了を宣言したのです。

 ボリビア人の女性生徒はアナンデール高校のバレーボール部の選手で、しかもヒスパニック系の生徒を集めたクラブの会長を務めています。コノリー議員は、討論会で「彼女のような移民が米国を強くする」と主張しました。続けて、同議員は「気候変動は実際に起きている」と述べて、地球温暖化対策を軽視するトランプ大統領を非難しました。

 結局、討論会は「コノリー対トランプ」と言ってもまったく差し支えありませんでした。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。


新着記事

»もっと見る