2024年12月22日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年10月5日

 第2回南北首脳会談が9月18日~20日、北朝鮮の首都、平壌で開催された。両首脳は、南北朝鮮の緊張緩和を演出した。第1回の「板門店宣言」に続く「平壌宣言」が署名され、次回は、金正恩委員長が韓国を訪問することになった。これを受けて、北朝鮮の非核化を推進するために、第2回の米朝首脳会談がワシントンDCで開催されるのではないかとの憶測も流れている。

(Ekaterina Vakhrameeva/3verokot/sesame/iStock)

 そんな中、9月22日、米国務省は報道官の名前で「北朝鮮の非合法の船舶活動に対する国連安保理決議の履行に関する国際協力」と題するプレス・ステートメントを発表した。以下、その内容を紹介する。

・米国は、北朝鮮との輸出入となる全ての品目を北朝鮮の船舶と受け渡しすること(瀬取り)を禁止する国連安保理決議を遵守する国際協力を歓迎する。

・最近、北朝鮮のタンカーに東シナ海で石油が瀬取りされた事案等、北朝鮮が国連決議に反した非合法的海洋活動を行っていることを日本、豪州、ニュージーランドが監視、発見したことを聞き、米国は嬉しく思った。更に、これら多国間の協力には、カナダ、フランス及び英国も加わる。これら協力の一環として我々は情報を共有し、国連安保理決議が完全かつ効果的に履行されることに尽力する。これを支援するため、米国は航空機及び艦船を出して、非合法活動の監視・検知を行う。

・北朝鮮は、引き続き国連の制裁を逃れようと欺瞞戦術を定期的に使用している。したがって国連加盟国は、石油の瀬取り行為を行う個人又は団体を取り締まるよう要請されている。加えて米国は、国籍にかかわらず北朝鮮の非合法活動を支援するような個人、団体又は船舶に対しては、制裁を課す用意がある。

・米国及び友好国は、引き続き北朝鮮の究極的で完全かつ検証された非核化が達成されるよう関与し、そして、その成功には北朝鮮に対する国連安保理決議の完全な遵守が不可欠であると、信じる。国際社会は、北朝鮮が非核化されるまで継続して国連安保理決議を履行することが求められる。

参考:Department of State ‘International Efforts To Implement UN Security Council Resolutions on DPRK's Illicit Shipping Activities’ (September 22, 2018)


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