幹線道路で突然の厄災
11月16日。ポートマッコリーから距離を稼ぐために幹線道路のルート1に戻りひた走った。交通量が多く、特に巨大トレーラーや長距離トラックが猛スピードで疾走している。相変わらずの向かい風(北風)に悩まされ、さらにはにわか雨も来るので気持ちも落ち込みがちだ。
なんとなく嫌な予感がしたと思ったら“プシュー”と空気の抜ける音がした。リアタイヤがパンク。パンクはサイクリングの究極の厄災である。時計を見ると11時前だ。1時間でチューブ交換して修理完了できれば上出来だと目標を定める。
リアバッグからスペアチューブ、工具を取り出し路側帯に自転車を横倒しにした。後輪の軸を固定しているボルトを外そうとするが100円ショップで購入した簡易レンジではびくともしない。数キロくらいの石を拾ってきてレンジに叩きつけるとボルトがやっと緩んだ。後輪を取り外してタイヤをリムから剥がす。子細にチェックするとタイヤにU字型の釘が刺さっていた。チューブを予備の新品と交換してタイヤを装着しようとするが、なかなかリムに収まらない。40分経過。
チューブに少し空気を入れてからタイヤを装着したら上手くリムに収まった。次に後輪のギヤにチェーンを巻いてから車体の軸受に後輪の軸をはめ込む作業である。何度もトライするがブレーキパッドが後輪のリムに干渉してしまう。時計を見ると12時前だ。
落ち着こうと深呼吸したらパトカーがサイレンを鳴らしながら近づいてきて停止した。「自力で修理可能か?」と親切に尋ねてきたので「大丈夫。直ぐに修理できる」と 見栄を張って即答。
パトカーが去ってから石で叩きながら軸のはめ込みをトライしたら一発で成功。空気を入れて終了。目標どおり丁度1時間で修理完了。走り始めたら大粒の雨が降ってきた。
⇒第6回に続く
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