世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年10月18日

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 かつては、日米韓三か国の連携が重要ということがよく言われたが、もはやそれは難しい状況なのかもしれない。ポンペオ国務長官は日韓両国の首脳とそれぞれ会談したが、その北朝鮮問題の争点が異なる。日本とは、拉致、ミサイル、そして核と並ぶ大量破壊兵器である化学生物兵器にまで触れている。一方、韓国とは、朝鮮半島の非核化と平和条約締結が主な目的である。

 文在寅大統領は、いまや南北関係の改善を図ることを最優先しており、北朝鮮の非核化を促すための北朝鮮への圧力は軽視している。北朝鮮に対する経済制裁の緩和を前提としない限りできないような南北経済協力案件を推進する合意を作り、それを成果として喧伝している。

 非核化への対処ぶりで、米韓間に相違があると言って差し支えないだろう。

 ポンペオ米国務長官は、今まで何度も韓国外相に北朝鮮に対する制裁の維持を求めたとされているが、それが無視されている状況である。

 今後の様子を見る必要があるが、たとえ第2回米朝首脳会談が開催されたとしても、北朝鮮の非核化について、実質的な大きな進展はないだろう。なぜなら、核兵器国にとり自国の核兵器がどこにあるかは最高国家機密であり、使う前に自国の核が無害化される危険につながる、その所在地の情報を開示することは考えにくいからである。

 第2回米朝首脳会談に向けての今回のポンペイ国務長官の北東アジア訪問を見ても、北朝鮮の核問題についての日米韓の共同対処の意味はもはやないのではないかと思う。その基盤は、文在寅左派政権によって掘り崩されたと判断できる。

  
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