どこにいっても難病患者をサポートする方々
平時からこれがなくては命が危ないという方々がいらっしゃる。例えばこの薬がなければとか、一定の決められた間隔で透析をしなければならないといった場合だ。実は、あまり知られていないが、こうした方々に対しては医療機関や製薬会社などが普段からマークしていて、場合によってはGPSの位置情報をアプリで把握される等している。例えば被災された場合には、どこどこの避難所にいることがわかったら、製薬会社の社員らがリュックサックを担いで、ヘリを飛ばし現地に乗り込んでサポートするなど積極的に取り組みしている。しかしすべての難病患者がそうしたサポートを受けられているわけではない。
平成に入ってから6度目となる震度7を記録した北海道胆振東部地震では、事後になって災害は必ずまたやってくるので、難病患者会から、福祉避難所についてのシミュレーションをしてほしいという要望が出されたという。
また今回初めて、福祉仮設住宅というものが整備されたのも特徴的である。
<北海道地震>特養被災者に「福祉仮設住宅」 全国初整備へ(11月11日付毎日新聞)
<タイムライン防災>空振りを恐れず、想定外に対応しよう
よく「防災」というが、今年だけを見ていても何十年に一度の災害が毎年発生していて、暑さや台風など激しい被害を引き起こすものが増えてきている。従って、災害を防ぐことは実際にはなかなかできないが、災害が発生した時にその被害を減らす「減災」ならば取り組みすることができる。そのひとつがタイムライン防災だ。
2012年10月29日、ハリケーン・サンディが米国東海岸に上陸、大規模な高潮被害により、ニューヨーク州及びニュージャージー州の被害額は合わせて8兆円規模にのぼり、米国災害史上2番目に大きな経済損失となった。世界の社会経済活動の中心であるニューヨーク大都市圏においては、ハリケーンから人命・資産を守るハード対策が充実していなかったために、沿岸部の家屋は損壊を受け、地下空間への浸水による交通麻痺等に伴い都市機能、金融などの経済中枢機能に甚大な影響を及ぼし、都市機能が高度に集積した先進国の大都市に壊滅的な被害をもたらした初めての大規模な災害となった。
しかしながら、ハリケーン・サンディは甚大な被害をもたらした一方で、米国のハリケーン対策プログラムに基づく対応で、被害を最小限に食い止めようとする工夫が見られた。これは時系列でプログラム化した防災行動計画(タイムライン)を、予め定め、それに沿った行動によって防災担当者までが避難完了を目指したものだった。
このタイムラインに従い、ニューヨーク地下鉄はハリケーン・サンディ上陸1日前に、乗客に事前通知予告したうえで地下鉄の運行を停止させた。浸水による被害は生じたものの、最短2日で一部区間の運行を再開させました。また、ニュージャージー州では上陸の36時間前に州知事から住民に対し避難を呼びかけました。ハリケーンは、発生してから被害が生じるまでの猶予時間があり、このような「先を見越した対応」が減災に有効であることを示した。