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2019年3月4日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

トランプ氏は「ペテン師、詐欺師」

 米下院での元顧問弁護士、マイケル・コーエン氏の証言は7時間の長丁場に及んだ。氏は袂を分かったトランプ大統領にまつわる疑惑について詳細に語った。

 2016年の大統領選で対立候補のヒラリー・クリントン氏(民主党)陣営の電子メールが大量に暴露されたことについてコーエン氏は、大統領が事前にこのことを知っていたと証言した。ロシアがサイバー攻撃で入手したといわれるこれらメールはクリントン陣営に不利になる内容で、トランプ大統領はこれまで、知らなかったと主張しており、コーエン証言と真っ向から対立する。

 トランプ氏とロシア側が共謀した証拠はないとしながらも、氏の長男が16年6月、クリントン陣営への不利な情報に関してロシア側と接触した際、親子の間で打ち合がなされていたことも明らかになった。

 不倫相手だった元ポルノ女優にトランプ氏が〝口止め料〟として1400万円を支払った際、コーエン氏はトランプ氏の要請で一時、立て替えたことをあらためて認め、弁済された際のトランプ氏のサイン入り小切手を証拠として提出した。選挙中のこうした資金の支出は選挙法に抵触するため、トランプ氏は発覚を避ける目的で替えを要請したとみられる。

 コーエン氏はトランプ氏の指示で個人や団体への「脅迫」を繰り返してきたと驚くべき告白をし、その回数は「500回」にものぼるという。トランプ氏についてコーエン氏は、「人種差別主義者でペテン師、詐欺師」と口を極めて非難した。

 トランプ疑惑については、ミュラー特別検察官が近く捜査報告書を議会に提出する予定といわれ、このなかで、大統領の違法行為関与が明らかになれば、民主党は弾劾訴追へ動きを強めるだろう。

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