WEDGE REPORT

2019年3月4日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

疑惑の展開では米の内政は大混乱

 米朝双方は実務者協議で話し合いを継続する構えだが、トランプ大統領にまつわる疑惑が今後どういう展開をたどるかは、事態を左右する大きな要素になってきた。

 コーエン証言は主観が少なくなく、客観的な物証にも乏しく、これだけでは弾劾など、とうてい実現し得ないが、特別検察官による捜査報告とも相まって、弾劾訴追に向けた動き、議論が高まる可能性は十分にある。そうなれば、米国の内政は混乱、大統領は防戦に追われて、北朝鮮の核問題解決に費やす時間とエネルギーは大きく失われるだろう。

 1972年に発覚したウォーターゲート事件では、ニクソン大統領がベトナム戦争終結に努力を傾注、国民の関心を逸らそうとしたが効果なく、1974年に下院司法委員会で弾劾訴追が決まったのを機に、「もはやこれまで」と辞職を表明した。

ハノイ会談が最後の首脳協議?

 大統領選は来年秋に迫っている。今秋から出馬予定者の運動が本格化し、来年の年明け早々、各州で候補者選びの予備選・党員集会が始まる。選挙の結果次第で北朝鮮は新政権との間で、あらためて交渉を始めなければならない。選挙前に大きな決断、譲歩をするにはリスクが伴う。膠着状態が長く続くほど慎重にならざるを得ないだろう。 

 ハノイ会談がトランプ氏と金正恩による最後の会談になるのか。トランプ疑惑の今後の展開にかかっている。

  
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