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World Energy Watch

2019年3月13日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

韓国経済と電力消費

 いまから30年前、1989年韓国のGDPは日本の14%程度に過ぎなかった。日本は失われた20年間低成長に喘いだが、その間韓国経済は成長を続け、2016年韓国のGDPは日本の34%になった。韓国の人口は約5100万人。日本の40%なので、1人当たりのGDP(2017年‐購買力平価)は、OECD統計によると、日本4万2086米ドル、韓国3万8839米ドルと急速に縮小している。

 韓国経済が成長する過程で、電力消費量も大きく伸びた。2000年から2017年に掛けGDPは約2倍になり、電力消費量も同じく約2倍になっている。電気料金が抑制されたため、また気温要因があるためか1人当たりの電力消費量は、日本、欧州主要国を上回るレベルにある(図-1)。電気料金の変動が社会にもたらすインパクトは日本よりも大きい。

 電力消費量が大きく伸びるなかで、韓国政府は国民生活と輸出産業、海外企業誘致のため電気料金の抑制政策を採ることになった。その一つの方法はKEPCOを通しての料金抑制策だったが、もう一つ重要な方策は発電コストを抑制するためコスト競争力に優れた電源を導入することだった。

 化石燃料の中で最も競争力がある石炭を使用する火力による発電量を増やす一方、原子力発電所の建設も積極的に行った。その結果、2017年には石炭火力、原子力発電がそれぞれ全発電量の45%と30%のシェアを持つ主力電源となった。

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