2024年11月22日(金)

中年留学日記

2011年11月15日

 ハーバードには学部生の通うハーバードヤードの外にいろいろな専門大学院があるが、中でもビジネススクール(HBS)は特別な存在だ。ハーバードヤードとはハーバード大学の敷地の中心部にある広場のことで、入学セレモニーや卒業式などが行われる。HBSはハーバードヤードからはチャールズリバーを隔てて約1マイル(1.6キロ)ほど離れたところに位置している。別の大学なのかと思うほど広大な敷地に図書館や学生食堂の入るビルなど様々な施設が立ち並び、ビルの中に入ると設備は一流ホテルを思わせる豪華さを誇る。

ラウンジで午後の勉強をするビジネススクールの学生たち

 キャンパス内を歩いていると、大学という感じはまったくせず、大企業の研究所かと思ってしまうほどだ。9月から10月末まで企業の役員クラスを対象にした特別プログラムが実施され、世界中から集まったエグゼキュティブたちが文字通り缶詰になって集中授業を受けていた。私も知人に誘われて少しだけ様子を見に行ったが、朝から夕方まで授業が続き、夜もグループに分かれてケーススタディなどを熱心に行っていた。

短期間に凝縮されたビジネススクール

 日本からは大手証券会社や大手商社、メーカー、インターネット関連など有名企業の現役の役員クラスの人々が参加していた。特別プログラムの授業料は(滞在費を含めてだが)わずか2ヶ月間で約6万ドル(約468万円)もするというから驚きだ。多くの参加者が所属先の企業から派遣されており、授業料も企業が支払っているケースがほとんどだが、短期間で正規のビジネススクールの授業に匹敵する内容を勉強するという。

 授業ではケーススタディが重んじられ、HBSの重鎮であるリチャード・ビートー教授(日本では「ハーバードの世界を動かす授業」という著書で知られる)らが日本の高度成長期の成功の背景などを熱っぽく語っていた。正規の学生向け以外でもこうした特別なプログラムを用意して、社会人向けにも高度な教育を行い、ハーバードの魅力を浸透させてゆく手法は非常に上手なやり方だと思った。


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