2024年4月25日(木)

From LA

2019年4月12日

 不満点を挙げると、結構大きめのバーガーだったにもかかわらず、食べ終えた時に満腹感が得られないこと。形状が柔らかいためパテを分厚くできないのか、非常に薄いパテだったことも関係するだろう。食べ終えて2時間もすると空腹を覚えるほどに、なんだか頼りない食べ応えだった。

 そして価格。はっきり言ってこの価格はありえないと感じる。生粋のベジタリアンでない限り、この値段を出してこのバーガーをもう一度食べようとは思わない。環境に優しく地球人口増加に伴う食糧危機を救う存在になるかも知れない植物由来の代替肉だが、量産により価格が下がらない限り普及には時間がかかりそうだ、と感じた。

何より驚かれたカロリーの高さ

 最後にメニューにはカロリーも表示されていたのだが、これが何よりの驚きだった。肥満対策、ヘルシーメニューであるはずなのに、パテと乗せられた野菜、チーズ、ドレッシングで合計480kcal、さらにブリオッシュバンそのものが260kcal、合計で740kcalである。他のメニューと比べると「ペルー風ステーキサンドイッチ」が520kcal、チキンサンドが540kcalで、ほとんど差はない。

 パテそのものは植物由来で低カロリーであっても、それを肉らしい味に仕上げるためには油などを混ぜて焼きあげる必要があるそうで、結果的に総カロリーは高めだ。ちなみにもう一つのメニューであるタコ・サラダもカロリーは400kcalと一般的なチキンサラダなどより低めではあるが劇的に低カロリーとまでは言えない。

 もしスーパーマーケットでハンバーガー用パテとしてインポッシブル社の代替肉と普通の牛肉が並んでいたとしたら、やはり躊躇なく牛肉を選ぶと思う。価格も牛肉の方が今のところは安い。人類の食糧問題を考えて代替肉を選ぶ、ほどには人間ができていないのである。

  
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