2024年11月25日(月)

田部康喜のTV読本

2019年4月17日

子どもの難病を発見

 会社員の千葉美佐子(中越典子)が息子の健太郎(石田星空)を伴って、甘春病院に診察に訪れる。健太郎が膝の痛みを訴えたからである。放射線技師長の小野寺俊夫(遠藤憲一)が検査を担当する。画像がデジタル化する前のフィルム時代からのベテランである。

 最初の画像診断をした、杏(本田)は「成長痛」と診た。子どもが成長に伴って骨の成長などから痛みを感じるものである。

 美佐子は健太郎と病院から帰るバス停の前で、腹部を押さえて倒れる。緊急の検査のために放射線科に回される。結果は膵炎で短期間の入院で回復することがわかった。

 技師長の小野寺(遠藤)は、母親の千葉美佐子が離婚前の「小山美佐子」として来院したことを思い出す。検査記録には、「副腎皮質ガン」とあった。美佐子の母も脳腫瘍、妹は白血病と記録にあった。

 「リ・フラウメニ症候群」を疑った唯織は、独断で健太郎の再検査をしようとする。検査は医師の依頼なしにはできない。放射線科長の鏑木安富(浅野和之)は、研究費をもらっている薬品メーカー会長の脳ドックの予約が入っていることもあって、強硬に反対する。

 唯織の裏付けとなったのは、小野寺(遠藤)が撮影したフィルムだった。健太郎の右足の膝から下の部分を2枚の写真に撮影していた。ふたつを左右に置いてみると、あたかも3Dのように浮かび上がった病変である。

 「俺の責任で部下にやらせてください」という技師長の小野寺。そして、杏(本田)が現れ「私がオーダーします」と。

 CT検査によって、健太郎の膝部分に骨肉腫が発見される。50万人に1人という難病である。しかし、早期発見であり、転移もなかった。骨肉腫の治療法は日進月歩で回復の可能性は高いこともわかった。

 健太郎は、母親の美佐子に「50万人に1人の病気になって、ごめんね」と謝る。美佐子は、離婚後に懸命に働いてきたことがかえって、健太郎に負担を与えたことを気づいたように「おかあさんにとっては、健太郎は1分の1のかけがえのない存在なのよ」と。

 杏(本田)は美佐子にいう。「これから私たちは、おふたりの検査をしながら見守り続けます。そして、早期治療をします。信じてください」

脇役陣、ゲスト俳優たちにも注目

 ドラマは、技師長・小野寺役の遠藤憲一をはじめ、同僚の黒羽たまき役の山口紗弥加、広瀬裕乃役の広瀬アリスら、脇役陣もそれぞれの人生を抱えて、回を追うごとにそれが明らかになっていく。山口紗弥加は、深夜枠の「絶対正義」(フジテレビ、2月~3月)の恐怖の正義漢役が印象深い。小野寺は、妻と別居し、何度となく離婚届けに署名するように迫られている。STORY♯2では、病院に離婚届を持ってきた中学生の息子・大樹(田中奏生)が、小野寺とすれ違いながら、父の仕事に取り組む真剣さに打たれる。

 ドラマに花をそえる、毎回のゲスト俳優たちの競演も楽しみである。STORY♯3(4月22日)では、ガンが発症するかどうかを悩む女性編集者役で、内山理名が登場する。STORY♯2の中越典子と同様に美貌の中堅女優である。


  
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