前向きに読み解く経済の裏側

2019年7月8日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

10年後には容易に増税できる時代が来る

 少子高齢化による労働力不足は、今後も一層深刻化して行くはずです。10年後には「景気が良いと超労働力不足、悪くても少しは労働力不足」といった時代が来るでしょう。

 そうなれば、「増税して景気が悪化しても失業が増えないから、気楽に増税できる」時代になるわけです。

 今の増税は「増税で景気が悪化して失業が増えたら、失業対策の出費が嵩むから、財政はむしろ悪化しかねない」といった反対を受けているわけですが、それがなくなるわけですね。

 もしかすると、労働力不足による賃金上昇がインフレをもたらすため、増税でわざと景気を悪化させてインフレを止める必要が出て来るかもしれません。そうなれば、増税が財政再建とインフレ抑制の一石二鳥になるわけですね。

数千年後には、問題は自然に解決する

 もしも、増税が何らかの事情でうまく行かず、財政赤字が続いてしまっても、大丈夫です。数千年後には、問題は自然に解決しますから。

 一人っ子と一人っ子が結婚して一人っ子を生むと、その子は大勢から遺産を相続することになります。そして、ついに日本人が最後の一人になると、その子は家計金融資産1800兆円を相続し、その子が死ぬとそれが国庫に入ります。つまり、何の問題もなく財政赤字問題は自然に解決するのです。

 財政赤字は我々が作った負担を子供達に引き継がせる「世代間不公平」だと言われます。狭い視野ではそうですが、子供達が相続する遺産まで考慮すれば、世代間不公平など存在しないのです。

 存在しているのは、遺産が相続できる子と、できない子の「世代内不公平」なのです。そこで筆者は相続税の増税を提唱していますが、本稿の主題から逸れますので、この点は触れずにおきましょう。

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