孔子学院
貿易を追いかける
以上の分布は北京から見ると「突っ込みどころ」の地図として映る。例えばネバダ州立大学には、北京大学を出て米国で学者になった先生がいる。この人を核に、もうじき中国語教授機関の孔子学院が初めてネバダにできそうだ。あるいはデラウェア。ここでは州立大学に、10年10月孔子学院ができた。影響力が急拡大中の各州に、北京が急ぎPR攻勢をかけている様子を窺うことができる。
考えさせられるのはモンタナの事例である。10年で対中輸出を24倍ちかく伸ばした同州の州立大学は、大使として日本に大きな足跡を残したマイク・マンスフィールドの母校である。
議会人としても多大の尊敬を集めた氏を顕彰する財団は、我が国では米国の若手官僚を日本に送る事業をしてきたことで有名だが、同じ団体が、モンタナ州立大学で08年以来孔子学院を運営している。日本の影響力が北京からの挑戦にさらされている現実を象徴するかのようだ。
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