香港問題に続いく有力な「武器」を手にした蔡英文
中国という大きな脅威を抱える台湾の社会は、防衛上の後ろ盾である米国の姿勢に敏感で、民進党・国民党支持者を問わず、米国のお墨付きを得ているかどうかを気にする。もし、この売却が実際に実現すれば、民進党は台湾の世論に対して、「米国支持」を強く印象付ける宣伝戦を展開することができ、蔡英文総統は、香港問題に続いて有力な「武器」を手にすることになる。
総統選まで半年を控えたこのタイミングで武器売却を決めれば、台湾への武器売却に神経質になっている中国の反発が必至であることは誰でも想像がつく。今後、米中の軍事交流などが中断するなどの影響は避けられないだろう。もちろん米国も中国の反発は織り込み済みで今回の行動に出ている。
もちろん米国はこうした事情をすべて織り込んでF16を売却するべきだと判断しており、中国が当選を望んでいない蔡英文総統の再選を、米国は支持するという強いサインと見るべきである。
緊迫する香港情勢において中国は、米国がデモ隊を背後で操ってい
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。