ハリスのトランプ攻略法
ハリス上院議員は、有権者からの質問に回答する前に演説を行い、その中でトランプ大統領は実は「非愛国的な大統領である」というメッセージを発信しました。
トランプ大統領は演説の舞台に上がると、星条旗を抱きかかえたり、遊説先の支持者を愛国者と呼ぶなど、愛国心に訴えた再選戦略に出ています。しかし、ハリス上院議員は愛国心に関して、同大統領のスタイルではなく、言動の中味に注目するように集まった有権者にアピールしました。
ハリス氏は「トランプ大統領は自国の情報機関を信頼していない」と主張して、同大統領を「非愛国的な大統領」として描きました。同氏は、第1にロシアが2016年米大統領選挙に干渉したこと、第2に北朝鮮によって米国人の大学生オットー・ワームビア氏が拷問を受けたこと、第3にサウジアラビア人のジャーナリストジャマル・カショギ氏が同政府によって殺害されたことの3点を挙げ、米情報機関の分析ではこれらは事実であると指摘しました。
ところがトランプ大統領はプーチン露大統領、金朝鮮労働党委員長及びムハンマド皇太子に対して抗議するどころか、彼らと人間関係を作ることに時間を割いて、米情報機関の分析をまったく信じていないと、ハリス上院議員は言うのです。この主張は参加者からかなり支持され、「あなた(トランプ大統領)は辞めなければならない」という合唱が起こりました。元検事のハリス上院議員は、自分が大統領になれば、トランプ大統領を必ず起訴すると約束しました。
現職大統領トランプのアドバンテージ
現職大統領は大統領専用機(エアフォースワン)を使用して選挙運動を展開できます。現職大統領に挑戦する野党の大統領候補はジェット機をチャーターしなければならず、コストがかかります。
知名度や献金の点でも現職大統領は有利です。しかも前回の大統領選挙で作成した有権者リストを所有しています。『トランプ集会で通うこと7回、見えてきたリピーター戦略』で説明しましたが、トランプ大統領には集会に複数回参加する熱狂的なリピーターもついています。彼らは投票に出向く可能性がかなり高い有権者です。
以上は、トランプ大統領の野党民主党候補に対するアドバンテージになっています。