今回のテーマは、「米民主党ベテラン議員はトランプの人種差別発言をどのように捉えているのか?」です。ドナルド・トランプ米大統領は、これまでに「メキシコ人はレイピスト(強姦犯人)だ」と断言し、人種差別発言を繰り返してきました。
トランプ大統領は野党民主党の女性新人下院議員4人(アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員、イルハン・オマル下院議員、ラシダ・タリーブ下院議員、アヤンナ・プレスリー下院議員)を標的にして、「米国が嫌いなら国に帰れ」と自身のツイッターに投稿しました。4人は非白人です。
加えて、トランプ大統領はアフリカ系のイライジャ・カミングス下
南部テキサス州エルパソ及び中西部オハイオ州デイトンで発生した銃乱射事件で、トランプ大統領は人種差別発言を控えていますが、今後も「人種カード」を用いて民主党議員を批判することは間違いありません。
そこで、上院外交委員会でジョー・バイデン前副大統領のスタッフであったジェリー・コノリー下院議員(民主党・南部バージニア州第11選挙区選出)に、地元のアナンデール事務所で8月7日(現地時間)、トランプ大統領の人種差別発言などに関してインタビューを行いました。
海野 ジョー・バイデン前副大統領は民主党大統領候補指名争いで30%台の支持率を維持し、他の候補を引き離しています。バイデン前副大統領が民主党大統領候補に指名されるとみてよいでしょうか?
コノリー バイデンが指名されると結論を出すには、あまりにも早すぎます。バイデンは1回目のテレビ討論会でうまくいきませんでした。他の候補からの質問に答えることができないのに、どうやってトランプに立ち向かうことができるのか、民主党支持者に不安を与えました。
しかし、バイデンは2回目のテレビ討論で盛り返しました。支持率で首位の座を他の候補に明け渡していません。討論会の目的は候補を排除していくことです。勝負は討論会ではなく、アイオワ州とニューハンプシャー州です。2州での地上戦が勝敗を分けます。戸別訪問と電話による支持要請が鍵を握ります。
海野 トランプ大統領はどうしてオマル下院議員を標的にして、
コノリー トランプは支持基盤にアピールするために、非白人の女性下院議員4人を攻撃しました。4人は「スクワッド(分隊)」と呼ばれています。しかし、トランプが狙っているのは支持基盤固めだけではありません。極左の下院議員4人が民主党を代表していると、レッテルを貼ることです。民主党はトランプにレッテルを貼られないように注意しなければなりません。実際、4人の議員は民主党を代表していません。
海野 トランプ大統領は人種差別発言を繰り返しています。トランプ大統領は人種差別者だと思いますか?
コノリー アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員は、ヒスパニック系です。イルハン・オマル下院議員はソマリア系で、ラシダ・タリーブ下院議員はパレスチナ系です。そしてアヤンナ・プレスリー下院議員はアフリカ系です。4人は非白人です。トランプは人種差別者だと言われて当然でしょう。
海野 4人は大都市を代表する議員です。トランプ大統領は民主党が支配しているリベラル色が強い大都市は機能していないと述べて批判しています。
コノリー 人々は郊外から大都市に移り住むようになりました。ニューヨークをみてください。犯罪率は低下しています。トランプは誤った印象を有権者に与えています。真実を語っていません。