2022年8月9日(火)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2019年10月4日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

ハンター対イバンカ

 さて、今回のウクライナ疑惑に登場するバイデン氏にとって、この疑惑はプラスに働くでしょうか。それともマイナスに働くのでしょうか。

 ウクライナ疑惑で鮮明になった「トランプ対バイデン」の対立構図に米国民の注目が集まっています。その結果、他の民主党候補に対する注目度が下がったので、この点ではバイデン氏が有利になりました。

 ところがウクライナ疑惑は、バイデン氏と次男ハンター氏が地位を利用して利益を得たという印象を米国民に与えた点も看過できません。ハンター氏はウクライナのガス会社「ブリスマ」の取締役でした。

 バイデン陣営はハンター氏の問題であって、父親の権力でホワイトハウス入りを果たしたトランプ大統領の長女イバンカ氏とは比較にならないと述べて、批判を一蹴しています。トランプ氏の方がバイデン氏よりも「身内びいき」といいたいのでしょう。そうはいっても、疑いをかけられたバイデン氏にはマイナス要因です。

メディアへの露出度

 では民主党大統領候補指名争いでバイデン氏のライバルであるウォーレン上院議員にとって、ウクライナ疑惑はどのような意味を持つのでしょうか。

 民主党支持者が、バイデン氏は「腐敗したエスタブリッシュメント」であるという認識を強く持てば、ウォーレン氏のメリットになることは確実です。

 2016年米大統領選挙においてヒラリー・クリントン元国務長官は、機密性の低い私用サーバーで公務を行った「メール問題」を抱えて選挙を戦いトランプ氏に敗れました。民主党支持者が、バイデン氏にはウクライナ問題があるので、トランプ大統領との直接対決でそれが不利に働くと判断すれば、疑惑のないウォーレン上院議員を選択する可能性があります。それを狙って、ウォーレン氏は「クリーンな候補」のイメージを前面に押し出してくるかもしれません。

 もちろん、ウォーレン上院議員にもマイナス要因があります。バイデン氏に注目が集まっているので、ウォーレン氏のメディアへの露出が減るでしょう。

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