2024年11月23日(土)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2019年10月4日

ウォーレンの「漁夫の利」

 結局、上記の4人にはそれぞれプラス要因とマイナス要因があります。

 トランプ大統領は「民主党は来年の選挙で私に勝てないので、弾劾に動いた」と繰り返し主張しています。ペロシ氏は「弾劾調査は選挙目的ではなく、あくまでも大統領の犯罪の解明にある」という明確なメッセージを米国民に発信し、浸透させることが極めて重要になりました。

 民主党指名争いの最中に、トランプ大統領とバイデン前副大統領の中傷合戦が激しくなると、ウォーレン上院議員が「漁夫の利」を得る可能性が出てきます。ただ、バイデン氏はウォーレン氏よりも民主党候補指名争いで鍵を握るアフリカ系に人気があります。

 つまり、ウクライナ疑惑がバイデン支持のアフリカ系にウクライナ疑惑の影響が及ばないようにすることが、バイデン氏には不可欠になります。ここは強調しておきたいところです。

 来年2月に民主党党員集会が開催される中西部アイオワ州並びに最初の予備選挙の舞台となる東部ニューハンプシャー州で、たとえバイデン氏がウォーレン氏に苦戦を強いられても、アフリカ系の多い南部で挽回できるからです。

 いずれにしても、「ウクライナ疑惑」の影響を受ける上記の4人が、どのようにして有権者の認識を自分に有利な方向へ変えることができるかに注目です。

  
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