2024年4月21日(日)

五輪を彩るテクノロジー

2019年11月11日

ついに「ブレイキング2」を達成

 それにしても、MGCのスタートラインは発色性のあるピンクに染まったが、なぜまた“派手”な色に仕上げたのか?

「選手たちには“目立ちたい”という意識が強く、目立つ色を望んでいる。市民ランナーへの聞き取り調査でも同様で、ランナーに共通する感覚だった。実際、このピンクは選手たちに好評を博している」(臼井氏)

 10月12日、ナイキは「ブレイキング2」、つまり42.195㎞を2時間切るチャレンジを試みた。あくまでも記録達成のための非公認レースで、コースもオーストリア・ウィーンの起伏が少なく直線の多いコースが選ばれた。大役を任されたのはキプチョゲ選手で、この記録を達成するためには1㎞を2分50秒という驚異的なペースで走り続けなければならず、そのためにペースメーカーを40人も揃えサポートにあてた。キプチョゲ選手の前に人を走らせ、空気抵抗を減らし風避けも担うのである。給水ドリンクもキプチョゲ選手自らが取るのではなく、並走しながら渡してあげると、至れり尽くせり。結果、1時間59分40秒で見事走りきった。シューズは超厚底だった。

 記録作りのための、あらゆるサポートを講じてのチャレンジではあるが、人類がフルマラソンを初めて2時間切って走ったことは確かで、偉業であることにかわりない。

 今後、サポートなしで2時間を切ることもそう遠くないと予感させたが、その際の合言葉は「厚底」なのか。

 ちなみに、キプチョゲ選手の世界記録、大迫傑選手の10月にシカゴで出した日本記録、そしてMGC優勝の中村匠吾選手もその際にこのシューズの恩恵に預っている。

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Part 2   米中二極型システムの危険性 日本は教育投資で人的資本の強化を
             インタビュー ビル・エモット氏 (英『エコノミスト』元編集長)

Part 3   危機を繰り返すEUがしぶとく生き続ける理由  遠藤 乾
Part 4   海洋での権益を拡大させる中国 米軍の接近を阻む「太平洋進出」 飯田将史
Part 5   勢力圏の拡大を目論むロシア 「二重基準」を使い分ける対外戦略 小泉 悠
Part 6   宇宙を巡る米中覇権争い 「見えない攻撃」で増すリスク 村野 将

◆Wedge2019年11月号より

  
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