ハーバードのビジネススクール(HBS)は、世界で活躍中の多くの人材を輩出してきた。HBSのMBAプログラムは2年制で、1学年の学生は900人。日本人学生は1年生が8人、2年生が12人と計20人在籍している。1年は春と秋の2学期制で、1学期に5科目を履修する。1年生の授業は全部必修だが、2年生になると選択制になり、好きな授業を選べるという。
かつてバブル期の日本企業からは大量にMBAをとるためのビジネスマンが派遣されたが、最近は景気情勢を反映して会社派遣の枠が減っている。今の日本人留学生のうち2年生は、外資系コンサルティング企業からの派遣が約半数に上る。一方、1年生は純粋な日本企業、例えば大手商社、大手損保、大手証券などから派遣されている。
数は多くないが企業を退職して自費できている人もいる。学費は1年間5万ドル(400万円)で、2年で10万ドル。それに生活費や渡航費などが加わるので2年間で20万ドル(1600万円)ぐらいの出費が必要となり、企業派遣でないと経済的には厳しいのが現実だ。
ハーバードMBA入学対策
MBA留学をする人の動機は様々だが、企業派遣組は自分のキャリアを変えようという人は少なく、出身企業に貢献したいという人が大半だ。一方、コンサルから来ている人はドライにキャリアチェンジを考えている人が多い。私費留学組はキャリアチェンジを真剣に考えていて、米国内での就職を考えている人もいる。
ではこのHBSなど実績のあるアメリカのビジネススクールに留学するにはどんな対策が必要なのか。
会社派遣の人はまず社内選考で選抜される条件を満たす必要がある。さらにHBSの場合、英語能力を示す「TOEFL」と英語と数学を組み合わせた「GMAT」というテストを課される。これらのテストでいずれも高得点をとる必要がある。特にHBSはTOEFLの基準が高く、ほぼ9割の得点を確保しなければならず、留学生の多くが「英語が厳しかった」と振り返る。